こんにちは。
好奇心です。
年度末が近づき職種によっては慌ただしくなる時期を迎えられる方も多いですよね。
また、いろいろな公的文書が届く時期でもあるのではないでしょうか。
「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」法令での使い分け
はじめに
急速にオンライン化が進み、さまざまな分野で煩わしい紙の書類の提出などが不要になるなど、ひと昔前からすればいくぶん手間が省けられるようになりました。
とはいえ、web上でも文章そのものの存在はあるわけですから言葉自体は無くなりません。
言葉の表現には微妙なニュアンスの違いがあって、つい曖昧になったり、意味をどう受けとめるのか悩んだりすることがあります。
公的文書においてそのような迷ってしまう表現で書かれていた場合困ることも生じてきます。
法令用語と日常の言葉
公文書の中には、「速やかに云々……」などという表現があったりします。
一般に「直ちに対処してください」とか、「遅滞なく行ってください」などと言う時、日常では何となく使っている言葉でも、法令用語となるとそれぞれに重要な意味があり、きちんとした使い分けが必要になってきます。
法令用語は裁判(法律)関連だけでなく国や行政機関、地方自治体など公的機関においても、はっきりとした意味の区別を持って使用されます。
法令用語にはどの法令にも共通して使われる言葉の使い方があります。
日常用語で曖昧に使っている言葉は法令用語では使い方が違っていたり、それぞれ区別されて使い分けられたりなどしています。
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今回は「急ぐ」という意味の言葉の、法令での使い分けをご紹介します。
「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の区別
日常で使われる「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」という言葉がありますが、これらはどれも「急いで」という風な意味を持っています。
ですが、法令(法律を含む)では次のようにきちんとした緊急性の程度を表す使い分けの規定があります。
「直ちに」は緊急性が一番高くなります。
本当に今直ぐに!
次が「速やかに」
できる限り急いで!
そして「遅滞なく」
遅れないよう(事情の許す限り)
「遅滞なく」はこの3つの中では緊急性がいちばん低くなり、やや猶予のある表現になります。
例えば契約書などの提出すべき重要書類があった場合、「直ちに提出してください」と要求されたら直ぐに提出しなければなりません。
法令用語区別の重要性
契約書や企業の社内規定などは法律文書に該当します。
その文書の中で、きちんとした法令用語で使い分けられていないと何かしらの問題が生じたとき、裁判官は法令用語の用法に従って文書の内容を解釈します。
適当な言葉を並べ立てていても官公庁や裁判所などではそこのところを鋭く突いてきます。
たとえば、「直ちに」と記載されているのに後回しになどされている物事に対し、
「貴社ではそれに従っていませんよねっ!」などと指摘される事態になるわけです。
そういったことから公的文書においては作成するほうも、受け取る方もそこをきちんと理解しておかなければなりません。
「直ちに」と記載されていればその文書内容に従うよう、即刻行動に移しましょう。
おわりに
以上「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」これらの言葉の、法令での使い分けの違いについてお話ししました。
法律など差しあたって縁が無いから別にどうでもよいなどと思わず、しっかり理解しておくことも社会生活で必要なこともあるということを踏まえ、知識として頭に入れておくとよいと思います。
では本日はこれで閉廷いたします(⁉)
ご訪問ありがとうございました。
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