ず~~~っと気になっていたことがあって、やっと真相が明らかになりました。
こんにちは。
好奇心からの便りです。
もう何年前になるでしょうか?
テレビCM、たしか車のコマーシャルだったと記憶していますが「これってCG?」と思わせるようなどえらい坂道を車が天に向かって走っているような映像がありましたよね。ある意味ショッキングでした。
車のアクセルを目いっぱい踏まなきゃ上がれない、まさにベタ踏みでというところから、通称「ベタ踏み坂」と言われるようになりました。
さて、そのとんでもない垂直に見えるCG映像のような道路、本当にあるの?
ところがそのとんでもない坂道は本物で、しかも地元にあるということを知り更に驚きでした。
それが明らかにされてから私はとても気になっていました。
ではでは地元にあるっていうけど見たことないそれって、一体どこなんだ?
なんと、それは私の住む地域から遠くはなかったのです。
島根県と鳥取県の一部に囲まれた中海(なかうみ)に浮かぶ島にあったのです。
そして、私の地元から中海を挟んで向かい側に見えていたのです!
まさかそれがあのいっとき話題になったベタ踏み坂だったとは⁉
だってこっちから見ると↓あれですよ。
↑あれです、あれです。とても同じものとは思えないフォルム
中海は島根県の松江市と安来市、そして鳥取県の弓ヶ浜半島に囲まれていますが、その
中海に大根島(だいこんしま)と、江島(えしま)という二つの島があります。
今回のお話の「ベタ踏み坂」はこの二つの島のうち、北側にある江島という島にあります。
江島は鳥取県の境港に近い方の島です。
江島と境港をつないでいるのが江島大橋。
いわゆるこれが「ベタ踏み坂」です。
さて、この通称ベタ踏み坂、あの数年前にTVで見た映像。
冒頭でもお伝えしたようにとんでもなく急こう配の坂を車が登って行く様子が映っていました。
事実を知るまでは完全にCGだと思っていました。
だってあんな道路あるわけないじゃん、あのまま行ったら空に飛んでっちゃうよって、そう思わずにはいられない映像でした。
登れるの?
登るどころか車落ちるんじゃない⁈ くらいのインパクトがありました。
私が初めて大根島に行ったとき、少し離れた場所から偶然見えたのがこの記事の1枚目の橋の写真の形状でしたから、まぁまぁ衝撃でした。
「もしかしてあれがベタ踏み坂の橋⁈」と……。
ちょっとばかし不気味さも感じたりして(天候が悪かったせいもあってか写真よりももっと黒くて大きな建造物に恐怖!)
私の地元付近からは、中海の向こうを見ると2本の大きな橋が見えるのですが、境港に近い方の橋は鳥取県の弓ヶ浜半島にある境港と島根県の美保関町を結ぶ境水道大橋。
境港と島根県を結ぶ橋は2本しかなく、となれば手前のもうひとつの橋が江島大橋、すなわち通称ベタ踏み坂となるわけです。
ですが、私が大根島で見たあの不気味さが漂う橋と、向こう岸に今見える悠々と流れるような曲線を描いている橋は似ても似つかない形。
ましてやあのCMの映像ともぜんぜん違う。
私の頭は混乱しました。
???
え? なんで? どゆこと?
というわけで、真相を探るべく(仕事のついでに(^^;) )江島にて実際に間近で見てきました。
とは言うものの、ん~~ん、多少は勾配がきついのは感じられるし、たしかにこの橋ではあるけれど、釈然としない。
期待して行かれるとちょっと残念に思われると思います。
実はこの江島ではあのCM画像のようなほぼ垂直に感じられる景色は見られません。
ベタ踏み坂はCMのように見えるのは見る場所で決まります。
ではいったいあのCMと同じ風景はどこから見ればあんなとんでもないことに見えるのでしょう?
はい、CGではなく、ちゃんとあのとんでもないことに見える場所があったのです!
それは先ほどお伝えした中海のもうひとつの島、松江寄りにある大根島から見えるのです。
大根島にある二子地区からなら期待通りのフォルムがうかがえます。
それが↓こちらです。
ただ、遠すぎてはっきり捉えることは困難ですし、デジカメやスマホのカメラ機能では限界があります。
距離がかなりあったため、肉眼ではよくわからなかったのですが、よくよく見るとビルなどの建物だと思っていたのが実は江島大橋、すなわち「ベタ踏み坂」だったのです。
こちらもアップにしていますので、実際はもっとずっと向こうに見えて肉眼では何が何だかわからないと思います。
ほんとうに見る場所によってずいぶん違っていたんだということが判明しました。
それでも、緩やかに見えるのも、不気味に見えたのも(⁉)ほぼ垂直に見えるのも、すべて同じ江島大橋こと、「ベタ踏み坂」なのです。
このベタ踏み坂に限らず、あらゆるものが見る角度や位置、その時の気象条件だったり、あるいは人の気分や好みなどによっても違ったりします。
私たち人間同士もまた、関わる人や環境によって相手への感じ方は異なります。
偏見を捨て、惑わされることなく、自分のこころに素直に感じていけたらいいなと思います。
ほんとうは落ちないのに、自分でかってに落ちるんじゃないかと決めつけたり疑ったり、また要らぬ不安を抱えたり……。
そこに行ってみなくては、挑戦してみなくては、勇気を出して一歩踏み出してみなければわからないことはたくさんあります。
視力を失った人が数人で象を触っても象の本当の大きさや形はわからず、それぞれの人が自分が触った部分だけで象を想像するというお話は有名です。
もっといろいろな角度から、いろいろな視点から、そしていろいろな立場から物事を広く、深く見つめてみることも自分の成長につながるんじゃないかなと感じます。
話が逸れてしまいました。
なにはともあれ、私の個人的な疑問の真相が明らかになり、納得できたのでここにご紹介しました。
もしお近くにお越しの際は八束町(やつかちょう)の大根島、二子地区にお立ち寄りいただいて、その目でCMで見た、壁のように見えるベタ踏み坂の景色をご確認ください。(望遠鏡があれば尚よろしい)
以上、なつかしいベタ踏み坂の話題をお届けしました。
好奇心からの便りでした。
ご訪問ありがとうございました。
PS なお、今回ご紹介した中の大根島は県花にもなっている、牡丹の花の栽培が盛んです。
牡丹鑑賞に有名な「由志園」もございます。
ゴールデンウィークのころには牡丹を目当てにお越しになる観光客でも賑わいます。