多様性という言葉を様々な場面で耳にすることが増えました。
仕事の在り方や人々の生き方、個人の表現、社会環境など、多様性を感じられる物事は増加してきています。
とは言え、では果たして今の社会はそれに寛容に対応できているのでしょうか。
こんにちは。
好奇心からの便りです。
仕事上、不特定多数の方に、とある測定を対面で行っているのですが、最近ほんのちょっと気にかかることが。
それは、その測定の際、測定器に年齢と性別のみの入力が必要なので、年齢をご本人にお尋ねしています。
ですが性別はこちらの判断で入力します。
さて、この性別、近年は少々躊躇することがごく稀にあります。
こちら我々の見た目で判断することになるわけですが、若年層から中年層くらいになると、見た目での判断というのが最近では迷いが生じることもあります。
実際、自分が見た感じでは女性かなと判断したけれども、実は男性であったりしたこともありました。
さすがに対峙しているにもかかわらず「性別は?」とは失礼に当たるので訊けません。
しかし、勝手に見た目で他人の性別を判断するということにも、今の時代戸惑いがあります。
何十年も前のことになりますが、職場でのことでした。
担当部署であったお茶室に団体のお客様がお越しになりました。
一度に入室できない狭いお茶室でしたので、はじめに女性の方にお入りいただくようお声をかけました。
そのお客様の中にとても綺麗な方がいらっしゃいました。
ですがその方は、ほかの女性のお客様と一緒に先に入室することをせず、他の男性のお客さま方とお待ちになっていらっしゃいました。
不思議に思ったのですが事情が分かりました。
服装や、メイク、髪型などから、その方は女性だと勝手に解釈していたのですが、男性だったのです。
ちなみに余談ですがその時の私の感想は
『あんなに綺麗な人なのに男性なのはもったいない』でした(^^;)
当時は男性か女性かのどちらかでしか決められないことの方が多い時代でしたので、そういう状況にならざるを得ないことが普通のことだったと思います。
今や男性、女性という2択以外に、新たな選択肢も必要な時代になりました。
世間には様々なアンケートや申し込み書など個人情報を書き入れるシーンがありますが、その中に性別を選ぶ項目があったりします。
自分で性別を書き込むのならともかく、チェックを入れるようになっているものも多いです。
いまだに選択肢が男性か女性の2つしかないことが殆どだと思います。
あれほど多様性多様性と触れ回っているのに、性別を選ぶのにこのような2択しかない選択肢ってどうなんでしょう?
時代錯誤ですよね。
その他のことで言えば、いろいろな分野でのアンケートの回答項目。
AかB、または①②③から選びなさいとかあったりしますが、中身を見るとそのいずれも当てはまらない場合もあります。
その他というのも選択肢に入れて欲しいです。
その上で、その他の内容をカッコ( )に書き込むという風な形なら納得できるのですが。
差し出された形式だけの答えが万人向けとは言えないはずです。
十人十色。
選択肢を広げて欲しいですね。
先日80代の方からこんなお言葉をいただきました。
「統計などのデータって、たいがい70歳くらいまでのデータしか載ってないのよね。グラフ自体の数値が70歳くらいまでしか表示されていない。今、人生100年時代って騒ぐ割にはこういうところ見落としてるわよね」と。
高齢者人口の比率がますます増加する中、肝心の高齢者のデータのサンプルは切り捨てられているか、もともと対象としていなかったりしているのです。
矛盾していますよね。
多様性の時代、それならそれに則した、それに寄り添える社会であるべきなんです。
赤でも白でもない要因とか、良い、悪いと一方的にジャッジされるべきでないものとか、「これまで事例がないからムリ」といわれるようなこととか、そういったものをちゃんと受け入れることができなくては言葉だけで多様性を……なんていうのはおかしな話です。
もうじき父の日、お兄ちゃんが父親代わり、おじいちゃんやお母さんが父親代わりっていう人もたくさんいます。
お兄ちゃんに父の日に「ありがとう」を伝えてください。
以上
好奇心からの便りでした。
お立ち寄りありがとうございました。